7/8 「Review of Wildlife Problems」

  7月8日(土)、アニマルサイエンス学科第二実習室で東京農工大学5年生獣医衛生教室所属の石山大さんを招いて、「Review of Wildlife Problems」が野生動物医学会学生部会・帝科大支部の主催で行われました。(8/26更新)


 石山さんはカモシカ、ヤクザル、アホウドリ調査、カワウ問題、里山問題、と幅広く活動、研究していらっしゃる方です。

 講演会ではまず、石山さんのスライドを鑑賞しました。北海道のエゾシカの問題、餌付けされたオシドリ、傷ついて飛べなくなったアオサギ、ハンターに射殺されたエゾシカの残骸など、写真を通して野生動物に関する問題の一部を紹介してくださいました。その後は野生動物に関するクイズタイム。フィールドサイン(足跡)に関する問題もあり、なかなか難易度は高いものでした。

 次に休憩をはさみ、一人ずつ外来種、人間生活と野生動物に関する問題について書かれた新聞記事が配られ、それぞれが要約した後にディスカッションを行いました。記事の内容は、ジャワマングース、クジャク、アライグマ、アカゲザルとニホンザルの交雑問題などです。このようなディスカッションに慣れていない人も居て、最初はなかなか意見が出ていませんでしたが、「ヤンバルクイナをジャワマングースから守るために囲いを作って、ジャワマングースを隔離した」という記事に対して、「隔離された場所を使用していた他の生物への影響があるのではないのか?」など意見が出され、時間が経つにつれて活発な議論が交わされ始めました。討論の結果、外来種の問題は人間の利益追求の末の結果であり、人間の認識不足という結論がどの班からも提起されていました。またこれらの問題を解決する手段として、人の問題意識の向上、そのための啓発活動。また生物と生存環境の問題をリンクさせて一つの問題として捉えること、などが提案されました。

 最後に石山さんに「うそと主観」というテーマで、「新聞やテレビなどマスメディアの伝える内容には、伝え手の知識の程度や主観が混ざっている。情報を鵜呑みにするのではなく、しっかり見極めて自分の意見をしっかり構築することが大切だ」という締めの挨拶をしていただき、講演会は終了しました。

 石山さん、とても参考になるお話をありがとうございました。(澤野)

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