藪田研究室
 動物行動学を専門とされている藪田先生の研究室におじゃましました。(2005年3月取材)


藪田慎司 講師

理学博士

専門分野:動物行動学

 京都大学理学部卒業、同大学大学院理学研究科前期博士過程修了、同大学大学院理学研究科研修員、同大学大学院理学研究科教務補佐、2002年帝京科学大学アニマルサイエンス学科講師就任。

写真:フィリピンの口琴(クビン)を奏でる藪田先生


 私は主に動物のコミニケーションに関心があります。これまでは、サンゴ礁でチョウチョウウオのあいさつ行動や攻撃行動を調べ、その後トカゲの仲間のディスプレイ行動や脊椎動物の色覚を研究してきました。帝京科学大学に赴任してからは、犬同士の遊び行動やカジカガエルの音声コミニケーションの研究等を行っています。研究室では、コンパニオンアニマルや野生動物を区別せず、様々な動物がどのように世界を見ているかを、学生と一緒になって研究していきたいと考えてます。また、動物行動学をよく理解している犬のトレーナーを育てていきたいと思います。

↓動物行動学について興味のある人は、下記の動物行動の映像データベースまでぜひどうぞ!

http://www.momo-p.com


藪田研究室 大学院理工学研究科 修士課程

アニマルサイエンス専攻 一年生

鈴木美由紀さん

 私は大学の卒業研究で、「行動テストを用いた犬種の『気質』差の検出」をテーマに選び、現在もこの研究を続けています。犬の性格(気質)というのは様々なものがあります。私の研究は、これらの「気質」に犬種差があるかを、行動テストを使って検出しようというものです。

 「気質」差を検出するには様々な要因が入り混じっているため難しいことです。そのため、取り除ける要因は前もって取り除いてテストを行なっています。例えば「気質」を引き出すには、真っ白な状態の子犬がとりやすいだろうと予測し、生後2ヶ月齢の子を用いたりします。また、兄弟間での差もあるかもしれないので、1腹単位でテストを行っています。

 テスト内容としては、?@社交性のテスト(呼んだらくるか、ハンドリング、人への興味)?A服従性のテスト(持ち上げる、ひっくり返す)?B新奇なものへの反応(ボールへの興味、新奇な音や視覚への反応)などがあります。

 日本犬と洋犬とで差があるかもしれないと予測し、柴犬・シェパード・ラブラドールレトリーバーの3種でテストを行いました。評価方法としては、支配性・従属性・独立性の3つの視点についてテストの反応を点数化し、各テスト反応を一つグラフに表しました。その結果、データ数は少ないものの、日本犬と洋犬で差が見られました。?@社交性のテストでわかりやすく説明すると、柴犬は呼んでも来ない個体が多く(独立性のスコアが高い)、シェパードはすぐに来る個体が多く(支配性のスコアが高い)、ラブラドールはこの2犬種の中間的な反応をする個体が多い(従属性のスコアが高い)という具合です。

 これからの課題は、データ数が少ないので、データ数を増やすこと。また今回行った方法が、確実に「気質」差を検出できる保証もない為、先行研究を研究し、テスト方法、「気質」差の検出方法について検討していくことです。最近では、気質遺伝子の存在もわかってきたので、その点も視野に入れながら研究を進めていきたいと思っています。

 将来は、子犬の専門家として、犬と飼い主の間に入ってアドバイス等ができるような仕事をしたいと思っています。



↑温泉。気持ちよさそうに入ってます。
(地獄谷野猿公苑で撮影)

藪田研究室 四年生

御園佑子さん

 私の研究テーマは、「地獄谷野猿公苑のニホンザルに見られる馬飛び行動」についてです。

 馬飛び行動は、二頭以上の個体が相互に役割を交代する事を特徴とする社会行動です。私は社会を社会として維持する機能を持つ行動に興味を持っているので、このテーマを選びました。

 調査は、個体識別したサルを追跡して行動を記録し、二頭以上の相互作用は、ビデオで記録をしています。

http://www.momo-p.com/showdetail.php?movieid=momo050423mf01b

 ↑サルの馬飛び行動について知りたいひとは、上記のリンク先までどうぞ!

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