藪田研究室 大学院理工学研究科 修士課程
アニマルサイエンス専攻 一年生
鈴木美由紀さん
私は大学の卒業研究で、「行動テストを用いた犬種の『気質』差の検出」をテーマに選び、現在もこの研究を続けています。犬の性格(気質)というのは様々なものがあります。私の研究は、これらの「気質」に犬種差があるかを、行動テストを使って検出しようというものです。
「気質」差を検出するには様々な要因が入り混じっているため難しいことです。そのため、取り除ける要因は前もって取り除いてテストを行なっています。例えば「気質」を引き出すには、真っ白な状態の子犬がとりやすいだろうと予測し、生後2ヶ月齢の子を用いたりします。また、兄弟間での差もあるかもしれないので、1腹単位でテストを行っています。
テスト内容としては、?@社交性のテスト(呼んだらくるか、ハンドリング、人への興味)?A服従性のテスト(持ち上げる、ひっくり返す)?B新奇なものへの反応(ボールへの興味、新奇な音や視覚への反応)などがあります。
日本犬と洋犬とで差があるかもしれないと予測し、柴犬・シェパード・ラブラドールレトリーバーの3種でテストを行いました。評価方法としては、支配性・従属性・独立性の3つの視点についてテストの反応を点数化し、各テスト反応を一つグラフに表しました。その結果、データ数は少ないものの、日本犬と洋犬で差が見られました。?@社交性のテストでわかりやすく説明すると、柴犬は呼んでも来ない個体が多く(独立性のスコアが高い)、シェパードはすぐに来る個体が多く(支配性のスコアが高い)、ラブラドールはこの2犬種の中間的な反応をする個体が多い(従属性のスコアが高い)という具合です。
これからの課題は、データ数が少ないので、データ数を増やすこと。また今回行った方法が、確実に「気質」差を検出できる保証もない為、先行研究を研究し、テスト方法、「気質」差の検出方法について検討していくことです。最近では、気質遺伝子の存在もわかってきたので、その点も視野に入れながら研究を進めていきたいと思っています。
将来は、子犬の専門家として、犬と飼い主の間に入ってアドバイス等ができるような仕事をしたいと思っています。
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